フェラーリ612 スカリエッティ
フェラーリはもうかれこれ20年近く、本格的スポーツカーはV8になり、当初はお家芸であった12気筒に気を遣って「ピッコロフェラーリ」などと言われていたが、モデルを重ねるごとに巨大化の一途を辿りもはや「ピッコロ」ではなくなっているって言うのは、これまでさんざん言われてきて、これからも言われ続けるんだが、12気筒を無くすというのはどうしてもフェラーリ的にはしのびないらしく、高級GTカーのエンジンにシフトして、これまた幾久しい。


フェラーリ612 スカリエッティ
そもそも「GTカー」って言うのは、「長距離走行に耐えうる」ことが大前提なわけだから、たぶんその手の信頼度が世界一低いメーカーであるフェラーリが、GTカーに12気筒を持ち込むのってどうなんだって考え方もあると思うのだが、 いやそもそも作るなって言った方が素直な考えなんだけど。

そんなわけで、このフェラーリ612 スカリエッティは現在フェラーリ唯一の4人乗り「GTカー」である。

フェラーリ612 スカリエッティ流麗というよりは、のっぺりしたというべきデザインは、後部座席の居住性の確保とフロントエンジンスペースのためだが、基本メカニズムはマラネロで、ボディワークは360モデナのマルチチューブラーフレームの継承という生い立ちの612は、高級感の追求に余念がなく、オプションで内装を「どんな色でも」決められるそうである。

なんとなくこの車が提供する付加価値というかステータスとしては、セレブと言う人種と成金という人種を明確に区別している感じで、明らかにセレブ向きの車である。


フェラーリ599 フィオラノかたやもう一台の12気筒がこの599GTBフィオラノである。この599は、"GTB"と"フィオラノ"という名前がトヨタだのオートバックスに商標登録されてしまっていたため、ただの599と呼ばれることとなっている。

このあたりの大人の事情って、かつて"901"にしようとしたらプジョーに全部登録されてしまった後で仕方なく"911"になったポルシェみたいなんだけど。

フェラーリ599 フィオラノ

612と違いこちらはガッツンガッツンのスポーツカー寄りGTカーに仕上がっており、599XXみたいな化け物もさっさと造られるくらいに、走りに特化されている。しかも基本的なコンセプトは612と平行しているのにエンジンはマラネロのエンジンではなくエンツォのエンジンをデチューンしていると言うから、12気筒の化け物度は格段に高く、たぶん430よりもこっちの方がフェラーリらしいんじゃないだろうか。


ただし、「GTカー」という範疇で見た場合、東北自動車道を北上したら、612は仙台あたり、この599は宇都宮あたりでイヤな煙を出しながら止まりそうな気がするんだけどね。
フェラーリ599GTB フィオラノ