マクラーレンF1~元祖離陸くん~

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マクラーレンF1
市販車で、ガソリンエンジンで、開発の段階から最高速度350km/h台の後半を目指し、それを実現した車たちを僕は「離陸くん」と勝手に呼んでいる。

離陸くんの特徴は、ほとんど乗用車と言えないスピードを標榜し、実用性その他をすべて度外視して、ただ「早いことはいいことだ」イデオロギーでもって生まれた業の深さである。ガソリンがまた値上がりで150円台だそうですなあ。

ブガッデイ・ヴェイロン、フェラーリFXX、あとちょっとマユツバものだがサリーンS7、そしてこのマクラーレンF1がとりあえずこの離陸くんに該当する。

ちなみにこのマクラーレンF1が、事実上の離陸くん第一号であり、これが出た当初は、いったいこんなの誰が乗るんだ?と思ったものだが、意外と評判がよく、特にアメリカの富裕層にはこの車をステータスとする人たちがかなりいるらしく、アメリカとかカナダの高級車オークションにはよくこれが出てくる。

マクラーレンF1

まずこの車の大きな特徴は、マクラーレンが持っているレースのノウハウを、そっくり持ってきていることにある。ボディはカーボンファイバーで成型され、ボディを構成する各パーツはボルトでもなければスポット溶接でもなく、接着剤で貼り付けられている。

エンジンはM Gmbh(BMWの関連会社)開発の6.1リッターV12DOHC48バルブである。タイプミスではありません「48バルブ」です。不毛とか言わないように。なぜなら彼は離陸くんなのだから。

エンジンルームの内側に金箔が貼られているのは別に成金社長の好みを意識したわけではなく、レーシングカーの遮熱技術をそのまま転用しているからで、マニホールド部分はニッケル基の超合金であるインコネルを使用したり、とにかく贅を尽くした作りとなっている。

また、マクラーレンF1の開発当時は、一応フェラーリがF1に実戦投入していた「プロストが憧れ、セナが嫌悪し、シューマッハが天下を取った」セミオートマチックトランスミッションを乗用車に乗せる発想がまだ早すぎると判断されたのか、6速MTをしかも縦置きではなく横置きで配置している。

マクラーレンF1

また、これは以降どこもマネしていないのだが(当たり前だ)、ドライバーズポジションが、中央に置かれている。

そして左右に小さな助手席が漢字の「山」の形に配置されて、(一応)3人乗りで、リアタイヤの前部に(一応)トランクのようなものも用意されている。

これなら弁当箱くらいなら入るだろう。
頑張れば水筒も入るかもしれない。


またこの車の購入に関してだが、値段と希少価値もあるのか、購入者が投機対象としての購入なのか否か。またこれまでの所有車歴を調査される。

次にメンテナンスだが、このマクラーレンF1は完全な「レーシングカーしかも車検証あり」なので、通常の整備工場での整備は絶対無理である。このため意図的に専用の工具を用意して、指定の工場に配っているから、まかり間違ってもこの車が故障したからと言ってBMWのディーラーに持ち込んではいけない。そしてその費用も「飛びぬけて高い」そうだから、テスタロッサのデフがドイツから引っ張ってきたら3000ユーロと聞いて腰を抜かす人なら心臓が止まるかもしれない。

発表当時は、何だか偉そうだなあと思っていたのだが、実はこの車は採算というものをまったく考えずに開発しているため、1億という値段は大赤字なのだそうである。ただマクラーレンの創始者である故ブルース・マクラーレンの夢見た、マクラーレンの名を冠したロードゴーイングカーを世に出したいという意志でもって生まれたのだ。

よってこの車にふさわしいのは、億単位のお金を用意できる経済力(だけ)ではなく、あきらかに無駄な、あきらかに時代に逆行したこの車に対して、お気に入りの力士に何も言わずにポンと小遣いを渡してそれをくだらない女とかバクチとかに浪費する様を、ニコニコと見守ることのできる「タニマチ感覚」なのだ。

というわけで離陸くんは今日も行く。
マクラーレンF1

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このページは、kanazoが2007年11月 3日 00:09に書いたブログ記事です。

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