2007年12月アーカイブ

f512_3.jpg
フェラーリF40は、当初400台生産のはずか最終的に1000台以上生産されてしまったにもかかわらず、幻の名車という位置づけになっているが、本当に400台くらいしか生産されていないし、フェラーリの伝統である水平対向12気筒エンジンを載せたモデルであるにもかかわらず、フェラーリのラインナップの中で、なんとなぁくだが、なかったことになってるのが、このフェラーリF512Mである。


512m_1.jpgこの512Mは80年代のフェラーリを支えたテスタロッサ系の最終モデルとして、512TRの後に発表された。当然のことながらエンジンは水平対向12気筒なのだが、アルミ鍛造ピストンとチタン製コンロッドが採用され軽量化を図り、安全対策としてABSが装備されている。フェラーリって車に「安全対策」なんて言葉は、ヒステリックな女が理性を売りにするみたいで違和感があるのだが。


512m_2.jpgまた、すでにデビューしていたF355や456GTのいいとこ取りみたいなフロントビューは、空力面で積極的に車体下へ空気を流入することで、整流効果とミッドシップエンジンへの冷却効果を高めている。

最も特徴的なのは512BBから続いてきたリトラクタブルヘッドライトを固定式にしたことで、これについてもエアロダイナミクス面の効果を狙ってのことだと言うが、奇遇なことにこの512Mが開発中にフェラーリの大マーケット(というか命綱)であるアメリカの大半の州において、昼間のヘッドライト点灯が義務付けられたわけで、どう考えてもそっちの理由の方が大きそうである。

512m_3.jpg僕はかつて、この手の車を専門に扱う整備工場にいたことがあり、この車にも乗ったことがあるのだが、確かに「軽さ」は感じた。テスタロッサという車は確かにあの見かけに比べると大変乗りやすい車である。たぶん308GTBよりも絶対に乗りやすいと思う。

大抵のフェラーリはギアが入るとき「シャキーン」という金属音がするのだが、512Mは「カッチン」という音で、よりメカニカルな雰囲気でありクラッチが若干重くてストロークも短い。


512m_4.jpg確かにフェラーリの12気筒モデルとしては、抜群に扱いやすいモデルなのだが、どうも今ひとつ「すげえ!」って感じないのは、何とも言えないこのデザインの「取ってつけた感」というかハンパさのようなものを感じてならないからなんだなあ。「カッコいいんだかカッコ悪いんだかよくわからない」と言うべきか。

実際そう思ってるのは僕だけではないらしく、この512Mはあまり中古車市場に出回らない上、プレミアがついているという話もあまり聞かない。

なので、フェラーリの歴史において、テスタロッサ→355→360という流れの中に、512TRの存在はあっても、512Mの存在は「ああ、ああ、確かにいたね!そういうの!」という感じになってるイメージがあり、僕はこの車に対しては「なかったことになってる12気筒」という位置づけになっている。

ウニモグ競馬場に行くと、レースとレースの間に、ダートコースをのんびりと二台横に並んで地ならししながら走るこれを見るたびに思っている。

「これがエリア88のアフリカ編で崖を垂直に登ったヤツかぁ…」

あの漫画で新谷かおるが綺羅星のように次々と登場させた戦闘メカの、荒唐無稽さを含めた素晴らしさは実在架空を問わず、空の戦闘機は言うに及ばず、海の(砂漠の空母もあった)空母、山岳地帯に横穴を空けた基地など、「起承転結」ならぬ「起承転転転転」状態だった。

そしてエリア88のアフリカ編で、傭兵同士の戦闘で敵の追跡を振り切るために崖を登ったのが、このメルセデスベンツ・ウニモグであり、そしてウニモグを一躍有名にしたのはエリア88だと断言してもいい。
ウニモグウニモグとは「Universal-Motor-Gerät」の略で、直訳すると「多目的動力機械」となり、自動車の範疇を越えた用途を想定している乗り物である。およそ3000種類の作業アタッチメントを揃え、除雪、草刈、清掃、通信、土木・建設、鉄道ほか、ありとあらゆる用途に季節や天候を問わず稼動が可能になっている。

もちろんドイツの車なので、軍用には対空機関砲搭載アタッチメントまで存在するし、モータースポーツにはダカールラリーにカミオン部門で走るわサポートカーとしても使われてるわで、おおよそ不可能のない車なのだ。
ウニモグ
駆動はもちろん4WD(しかもリア2WDやデフロックへの切り替えも可能)で、トランスミッションは前後進それぞれ8段で、前へも後ろへも同じ速度で走れるそうで、オプションに16段・24段も用意されているという。門型リジッドアクスル構造のため、アクスルの中心がタイヤの中心より高いポジションに置かれ、ホイール部分にギアを設置することにより、低重心を図り、デフの小型化を実現している。

登坂角は45度、ランプアングル38度、横転限界角38度、水中走行可能深度1.2メートル。もう完全にハマーなんか目じゃない化け物である。

こういう軍事技術ベースの徹底的な工業製品ってアメリカには作れないと思うし、日本のメーカーにしたって、憲法上の(くだらねえなあ)問題があって、開発そのものにストップがかかるだろうし、技術的にできたとしてももこういう質実剛健というよりは、緻密方面に行っちゃうんだろうなあ。

ウニモグ
このリアビューは完全にベンツのそれである。ちなみに日本でも市販はされているのだが、基本仕様はあきらかに乗用車としては不向きであり、そこが弱点と言えば弱点と言えるかもしれない。

このためウニモグの売り込み先は法人相手ということになり、それはそれは各企業や自治体が3000万円近い費用を惜しげもなく払うわけだ。そうだよなあ、それだけの車だもんなあ。

フェラーリやランボルギーニの値段は「存在」が決めるし、ベンツの乗用車の値段もおおむねそういうところがある。しかしこのウニモグは別だ。持っていたって、確かに異様な大迫力はあるがそれがステータスにつながるわけでもなく、乗用車としては最高速度が80キロくらいしか出ないそうだから、ドライブして楽しい車ではない。

とにかく「車」ではなく「どこでも行くし、何でもできる乗り物」であり、だからこその「多目的動力装置」なのだ。そのあたりの自信たっぷりの開き直りとも言える矜持がメルセデスなんだよなあ(ダイムラーだけど)。

ウニモグ
新ナイトライダー12/12の記事で、ナイトライダーの新作に登場するKITTはシェルビーGT500だと「いいなあ」と言ってたら、実はシェルビーだったようで、その画像が手に入ったので、あらためて紹介。

ひやああああああ!
カッコいいいいいいいい!!
フロントの赤いチロチロしたアレも健在だ。

新ナイトライダーKITTは、ナイト財団が技術の粋を集めて開発した超ハイテクカーなので、インテレクチュアルな雰囲気で、「私には理解できませんね、マイケル」とか喋ってたが、このマッチョなKITTはアレだな、少しガラ悪く「よう、あんなビスケットみたいな壁なんかぶっ飛ばしてやろうか?」とか言ってくれるとかっこいいなあ。



新ナイトライダー今回のKITTには、「ヒーローモード」、「カモフラージュモード」「アタックモード」の3ヴァージョンがあるそうで、冒頭の写真はたぶんアタックモードと思われる。もちろん架空のお話に登場する車なので、具体的な性能に関して考証面で揚げ足を取るのはヤボもヤボなので何も言わない。リアウィングはもっとごっつくてもいいくらいだ。

20年前は「特殊な分子構造のボディ」という触れ込みだったが、この時代はエコを意識して「超伝導駆動エンジン」とか言うのかな。
新ナイトライダーアメリカのドラマの作り方は、1シーズン作って様子を見て、評判がよかったら2シーズン目はさらに何人もの脚本家にコンペをさせて、じっくりと設定を煮詰めていく作り方なため、息の長い作品が数多く存在する。マンガの原作ばっかりでブツ切りの安直な作り方をしているどこかの国と大違いである。

この新作だが、アメリカでは来年早々に放送されるというから、日本ではその半年遅れくらいだろうけど、早く観たいな。



うーやべえ!鼻血出そうにカッコいい!
Ford Shelby GT500
今年の秋くらいに、アメリカであの「ナイトライダー」の新シリーズを製作することになったらしいという話を聞いたときに、初代のKITTのベース車両がファイアバード・トランザムだったから、「もうこれしかない!これに決定!!」って僕が勝手に思っていたのが、このフォード・シェルビー・マスタングGT500である。

アメリカという国に僕は、自動車発祥の国として敬意をもっているが、工業製品として近年のアメ車は、大食いでパワー以外は能が無いくせに、ハンパに海外市場を意識したただの大味なメタボリックデブという認識しか持っていない。

Ford Shelby GT500

車はただのデブなのに、企業体質ばかりがジャイアンなものだから、どうも僕はアメ車が好きになれない。

だが、この車は別である。まるで70年代からタイムスリップしてきたような設計思想で、「ものすごい」大食い、「ものすごい」パワーで居直ったような威圧感。これこそが正しいアメ車なんだなあ。

ノンターボ・スーパーチャージャー付き5.4L(330ci)32バルブDOHC V8エンジン500馬力ってことは、たぶん車としては日産GT-RのVR38DETTの方がきれいに効率よく回ると思われるが、そんなことをフォードが気にするわけもなく、連中がそんな効率なんぞ考えるくらいなら、アメリカはとっくに京都議定書に批准している。

だが、この恐ろしく剛性のありそうなボディたるや、もはや戦車である。衝突実験やったら面白いだろうなあ。GT500がフロントを潰すくらいの衝撃だと、フェラーリF430なら粉々になりそうだ。

Ford Shelby GT500
その時代のアメリカンマッスルの象徴のような車こそが、ナイトライダーにふさわしく、1に剛性2にパワー、3.4がなくて5にパワーみたいな車にKITTの名を名乗らせたいと、ナイトライダーファンの僕は思っていたわけだが…。





なんかこういう風になるらしい。あまり現実離れしたデザインにしちゃうと、かえって浮いちゃって、リアリティ面で違和感覚えちゃうんじゃないだろうか。

ナイトライダー2008

トヨタMR2
 
「ヤドカリは自分に合わせて貝を選ぶ」という言葉があるように、大抵の車好きは、自分の収入やライフスタイルといった事情に合わせて、ある程度の妥協を経て車を選ぶものである。

もちろん妥協を経ているとはいえ、気に入っている車だから愛着をもって乗っているのだが、たとえば信号待ちなどで、隣に止まった車に無意識に羨望の眼差しを送ってしまうということはよくある。


ただし、当時ダイハツのシャレード・デ・トマソから、このトヨタMR2に乗り換えたときの僕にはその現象はほとんど皆無であった。

トヨタMR2
トヨタMR2は、トヨタが日本初のミッドシップエンジン車として、初代のAW10シリーズを、デビューの1984年からマイナーチェンジを繰り返して熟成させた車であり、1989年にフルモデルチェンジしたのが、このSW20シリーズである。

AWシリーズがカローラベースで小型軽量(1トン以下なので重量税がいらない)だったのに対して、SWシリーズはセリカベースとなり、やや大型化した上、エンジンも2000CCターボ搭載の3S-GTEというパワーエンジンを載せたのはいいが、足回りがとんでもなくヤワに出来ており、大抵の新車は自動車雑誌において、露骨に酷評されることはないのだが、どの雑誌も異口同音に「足がダメで、スポーツカーというよりはただの危険な車」と断罪した。

トヨタMR2
このため、マイナーチェンジではさんざんな悪評を買った足回りを相当煮詰めたものが出てきた。ブレーキとスタビライザーを大径化して、各アーム類の強化に、とどめはLSDとビルシュタインのショックアブソーバの純正装備(GTのみ)とまで、これでもかと強化されたものが出てきて、僕がそれにとびついたというわけだ。


 トヨタMR2納車された日に運転席に座っての第一印象は、「狭い!とにかく狭い!」ということだった。それまでさらに小さいシャレードに乗っていたにも関わらず、ここまで狭さを感じるとは思わなかった。

車高の低さもさることながら、エンジンが後ろにあるため運転席と助手席の間にトランスミッションに続くメインシャフトがドカンと通っており、正面のメーターパネルは、カーステあたりまで、ドライバーを囲むように緩やかな弧を描くレイアウトになっており、戦闘機チックな作りになっていた。「隣に座った女の子にちょっかい出してないで運転に集中しろ!」とでも言いたげに。

ちなみにこの「ドライバー軟禁型レイアウト」は、同時期に登場する80型スープラにも共通している。

トヨタMR2「トラクションがかかる」という言葉は知っていたが、エンジンが後ろにある車の「トラクションがかかる」状態は、慣れなければ「恐怖」であり、慣れれば病みつきになる「快感」になる。

1速を7000回転でミートすると、わずかにホイールスピン。だけどこれは乗り手の自分が未熟だからであり、2速、3速とも同回転数でクラッチをつなぐと蹴飛ばされたように加速する。


 
トヨタMR2
ミッドシップというエンジンレイアウトが、こんなに操作性に影響があるとは、正直思わなかった。コーナーでの限界は実に高く、その限界を超えてもステアリングよりはアクセルコントロール(慣れが必要)だけで体勢を戻すことが可能なものだから、まるで自分がうまくなったかのように錯覚してしまうくらいに、面白いほどよく走り、よく曲がり、よく止まる車で、このMR2に乗っていたときは、信号待ちで隣にR32GT-Rが止まろうがポルシェが止まろうが、むしろ優越感すら覚えたものだ。

また、時代的にフェラーリのテスタロッサを街中でよく見かけたのだが、青山通りで隣に並ばれたり、後ろにぴったりくっつかれたりもしても、こっちは「喧嘩上等」気分で臨戦態勢に入っていた。

もちろん、自動車としての総合的性能においてはR32GT-Rやテスタロッサの方がはるかに上なのだが、運転しているときの一体感で、過剰なまでの自信を乗り手に与えるのがこのMR2だった。やがて2人目の子供が生まれることになり、僕は泣く泣くこの車を手放し、R33GT-Rを手に入れるのだが、MR2に乗っていたときのような一体感はついに得られることはなかった(もちろん33Rは別次元の性能を見せてくれてとても気に入っていた)。

MR2の唯一の弱点は、のちに手に入れるR33GT-Rの得意領域である「超高速領域」だった。とにかく140km/h以上のクルーズは危険極まりなく、リアにマウントされたエンジンの重さが今度はアダとなり、前輪の接地感は完全に消え、ハンドルを全力で押さえていないとレーンチェンジの際に道路の継ぎ目でほんの一瞬だがコントロールが効かなくなくなるのだ。これだけは本当に怖かった。

MR2を手放してから一ヶ月ほどして、大阪で保険が解除になった知らせが来たから、あれから大阪のオーナーのもとに引き取られたのだろう。中古市場でMR2の流通は今でも活発なので、あれから10年以上経っているが今でも走ってるといいなあ。
トヨタMR2

thanx to JonnyVII and other owners

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