ポルシェ原理主義:その参~シュツットガルトの怪鳥カレラGT~

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「世界一」という言葉で車をくくるとき、スピードなのかパワーなのか価格なのか具体的な数値で語る必要がある。もちろん主観で語ってもいいのだが、そうすると愛着100%ってことになるので、俺のS14シルビアこそが世界一と言い張ってももちろんOKだが、相手の価値観に訴える説得力に欠けることになる。

そこで、スピードやパワーや価格と言った、数値的プライオリティをフェラーリ好きやメルセデス好きに対しても問答無用の説得力でもって訴求することが可能で、なおかつ狂信者として恍惚とした表情で「世界一のスーパーカー」と僕が断言できるのは、このシュツットガルトの怪鳥ポルシェ・カレラGTである。この車こそ世界一である。断言するぞ。

ポルシェ カレラGT
ポルシェ カレラGT
この車の生い立ちは、元々ルマン24時間などのモータースポーツの世界で、プロトタイプベースの車が台頭してきたことによって、次期GTクラスレーシングカーの開発をすることにしたポルシェが、同じころ市販スポーツカーの流れが、フルカーボンボディにレーシングエンジニアリングのノウハウを色濃くフィードバックさせた桁外れのハイパワーを求めるようになっていることに対して、「あそっか!市販しちゃおう!」とばかりに、市販車として開発をスイッチしたことによる。

臨機応変ですなあ。

ポルシェ カレラGT全長4,613×全幅1,921×全高1,166㎜というボディサイズはエンツォより小さく、特に幅はエンツォより115㎜近くも狭い。まあエンツォが大きすぎると言えないこともないが。

また、キャビンと、エンジンとサスペンションを支えるサブフレームを連結する構造はテスタロッサなどもそうなっているが、サブフレームは上下からエンジンを包み込むモナカみたいな形状になっており、上のモナカはボルトをはずすことによって簡単にはずれてエンジンを降ろすことができるようになっている。


ポルシェ カレラGT
ミドシップに縦置きされた5.7リッターV10エンジンは、2000年のルマン24時間に出るために開発されたもので、本来なら10気筒の等間隔燃焼のベストが78度角なのに対してわざわざ68度にすることによって、市販車としてのレイアウトに配慮した。ミッションは6速マニュアルで、ブレーキと同様のカーボンセラミック複合素材を使用したPCCC(ポルシェ・セラミックコンポジット・クラッチ)で、そのクラッチ径はわずか169(!!)ミリである。このため慣性重量は低く、多板クラッチ特有の唐突に繋がる特性を持つ。

まあ簡単に言えばロケットスタートは得意だが半クラッチが大変であると。
素晴らしい。ポルシェはこうでないといけません。
レーシングカーに2ペダルMTなんぞ持ち込んだりしないのである。

ポルシェ カレラGT
また、室内はメーターの配置が911っぽいが、シフトレバーの位置が妙に高いのが目に留まる。またこのシフトノブをよく見ていると、ウッドである。カーボンとレザーで武装した車内に、ここだけ意味無くウッドである。

いや違う。レーシングカーに準じたエンジニアリング、それに相反するラグジュアリーな快適性能を突き詰めたときに、ここはウッドにするべきであるというポルシェのこだわりなのだ。さすがポルシェだなあ。


ポルシェ カレラGTこのカレラGTは約4000万で発売され、実物を世田谷のポルシェジャパンで見たことがあるのだが、そのラインの美しさもさることながら、全体に小さめの印象を受けた。ポルシェの姿勢としてはこの車をポルシェは「売りたい」のではなく「造りたい」から造ったんじゃないかなあ。だってこんなのランボルギーニだったら何も考えず億で売りそうだから。

ボクスターが売れに売れて、カイエンも面白いように売れて、すっかり商売上手になったポルシェだが、「我々が本気になれば、これだけのものはいつでも造れるのだよ諸君」と言わんばかりの完成度と、フェラーリともメルセデスとも違う独自性でもってこのV10モンスターを世に送り出したのだ。

ちなみにこのカレラGTだが、当初1500台生産の予定が、1300台ほどで生産を終えたらしい。だがこの手の車で1300台というのは大ヒットと言って良い。素晴らしいですなあ、さすがポルシェですなあ。
ポルシェ カレラGT

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このページは、kanazoが2008年2月11日 01:05に書いたブログ記事です。

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