2008年6月アーカイブ

フェラーリF355実はフェラーリという会社は、日本におけるバブルがはじけてからの方が、名車を産み出しているのではないだろうか。

まずテスタロッサ~512TR~F512Mへの12気筒車の先細りがある。20世紀最後の12気筒車であるF50は21世紀に登場するエンツォを暗示させる「明らかに公道ではムリ!」っていう車になっていった。僕はこのF50とF40の両方をチェック程度に運転したことがあるが、F40でギリギリF50に至っては完全に「ムリ!!!」と感じた。もうこんなの売っちゃダメってくらい。「速い」というよりは「危険な」車になっていたのだ。

そして、それまで「ピッコロフェラーリ」と呼ばれ、本流とは別の傍流とも言える扱いをされていたV8エンジン搭載車へ、開発の主力をシフトしていくこととなる。

まず348tbを試しに出してみた。この348は、それまでのフェラーリがお家芸にしていた、鋼管スペースフレーム(要するに鉄パイプをひん曲げただけ)から、大半の骨格をモノコックにして誕生したが、剛性(特にフロント)が足りず、高速でまっすぐ走らないという言語道断…いやじゃじゃ馬っぷりを発揮する車であった。余談だが348のトラブルに「ピラーにひびが入る」というのがあり、フェラーリのメンテナンスを扱って長い会社(僕のいた会社のことだが)のメカニックに言わせると、「経年で必ずおきる」そうである。これまた言語道断…いや繊細な車である。

フェラーリF355348のしょぼさに反省したのかしてないのかフェラーリは、1994年に348を改良してF355を送り出す。348から始まったセミモノコックフレームに、ボッシュのモトロニック制御で動く90度 3495cc「F129B」型エンジンと同時に、それからのフェラーリの歴史を変えるものがこのF355から搭載されることとなる。

パドルタイプの2ペダル・セミオートマチックシステム。つまり「F1マチック」である。

フェラーリF355これにより、それまでのフェラーリにつきまとった「クラッチが重い」などに代表される、扱いづらさが格段に向上されることとなり、日本の不景気などどこ吹く風と言わんばかりに、このF355は飛ぶように売れた。

実際運転してみると、確かに運転しやすい。なにせオートマと大して変わらないわけだから。ただしそこはフェラーリですから、街乗りに不可欠な半クラッチができないため非常に壊れやすいシステムではあったんだけど。

そして348→355ときて、フェラーリは会社設立以来の黄金期を迎える1台を世に送り出す。360モデナである。

フェラーリ360モデナ
つづく

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