2008年10月アーカイブ

今年ロシア大陸の河の中をざぶざぶ泳いでいたカイエンには、西アフリカのモーリタニアにおける政情不安により今年はダカールラリーが中止になってしまいションボリしている弟フォルクスワーゲン・トゥアレグがいる。そもそもカイエンとトゥアレグは共通のプラットフォームで開発されているとはいえ、駆動系は完全に別物で、カイエンが「高性能」を目指したのに対してトゥアレグは「高級」を目指しており両者のコンセプトはそもそも別だった。

フォルクスワーゲン トゥアレグ
フォルクスワーゲン トゥアレグ

高級さを標榜しているとはいえ「サハラ砂漠の遊牧民」の名を冠するだけあって、トゥアレグも早くからラリーなどモータースポーツには積極的に参加しているが、いかんせん善戦止まりが続いている。

こんなムチャクチャに剛性はあるけど乗ってる人間はひとたまりもなさそうなスケルトンの溶接跡をひとつひとつ見ていると、トゥアレグがそれでも本気でラリーカーとしての付加価値を求めて挑戦を続けているのはよくわかる。

一方兄貴のポルシェの方は、フォルクスワーゲンからビートルの特許料という莫大なスネをかじり続けてモータースポーツの世界で何十年も遊びほうけていただけあって、これまでサーキットを走っていたのを、いきなり名前からして過酷そうなシベリアに大挙して乗り込んであっさり圧勝してしまうわけだ。なんかマジメな弟が、遊び人の兄貴のマネしてシャツの襟を立てて歩いてる痛々しさみたいなものすら感じる。

フォルクスワーゲン トゥアレグ



とは言え、決して素質のない車じゃないからねえ。まあぼちぼちやるさ。

ところであんた何にでもソースかけるヤツってどう思うよ。俺こないだ定食屋で餃子にソースかけてるヤツ見かけてぶん殴りそうになったよ。うん。




と言ってるか言ってないかは知らないが、今年中止になったダカールラリーは、来年ブエノスアイレスをスタートして南米アルゼンチンとチリで行われるという。南米の地を駆けるトゥアレグは文字通り捲土重来を期しているだろう。

フォルクスワーゲン トゥアレグ


おまけ
「自称」高性能&高級SUVを標榜しつつも、
アメリカで「安全性に問題あり」と言われてしまった遠縁の親戚

BMW.X5


ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4ランボルギーニは24日、イタリア国家警察に『ガヤルドLP560-4』を納車した。精鋭30名(うち女性3名)がガヤルドに乗ることが許されており、定期的にランボルギーニからドライビングレッスンを受講、ガヤルドの性能をフルに引き出せるよう、訓練されている。 (Responseより引用)

自動車メーカーが自社の成功したスポーツカーを警察に寄付するっていうのは日本だけの風習なのかと思ったら、どうも海外でもあることらしい。しかも今回はランボルギーニである。

ランボルギーニも偉くなったもんだよなあ。
なんというかこの寄贈だが、若いころから破天荒な生き方で、方々に借金を作ってはスイスだのフランスだのアメリカだのインドネシアだのを放浪して放蕩の限りを尽くしたヤクザ者が、最後にドイツの大親分に拾われて、心を入れ替えておとなしくなったところで親分の商売をまじめに手伝っていたら、自分の商売がうまく行ってやっと一息ついたところで故郷が懐かしくなり、ふいに今まで迷惑かけた人たちに恩返ししようとしているような構図に見えてならない。
ランボルギーニは24日、イタリア国家警察に『ガヤルドLP560-4』を納車した。精鋭30名(うち女性3名)がガヤルドに乗ることが許されており、定期的にランボルギーニからドライビングレッスンを受講、ガヤルドの性能をフルに引き出せるよう、訓練されている。


同じヤクザ者でもフェラーリというヤクザ者は、レースというカテゴリーにおいてのブランド貢献が大きいので、絶対にこんなことしないと思う。




ランボルギーニは24日、イタリア国家警察に『ガヤルドLP560-4』を納車した。精鋭30名(うち女性3名)がガヤルドに乗ることが許されており、定期的にランボルギーニからドライビングレッスンを受講、ガヤルドの性能をフルに引き出せるよう、訓練されている。

もちろんパトカーなので、車内にはパトカー用装備が完備されている。ぱっと見でわかるのは無線機と、ルームミラーの横についているカメラとダッシュボードにコンピュータ端末が見える。

モニターが2つあるのは、1台が映像のモニター用ともう1台がデータベース照会用ってとこなのかな。助手席のドアには標識みたいなのがついていて、「MINISTERO DELL' INTERNO POLIZIA DI STATO」と書いてある。要するに「イタリア内務省国家警察」ってことだろうか。

ランボルギーニは24日、イタリア国家警察に『ガヤルドLP560-4』を納車した。精鋭30名(うち女性3名)がガヤルドに乗ることが許されており、定期的にランボルギーニからドライビングレッスンを受講、ガヤルドの性能をフルに引き出せるよう、訓練されている。
座席の後ろには本部に送って照会したデータが出力されるプリンタも装備されている。元MR2乗りの自分に言わせてもらうと、2シーターの車のシート後ろにあるこの手の装備って物凄く使いづらいと思うぞ。
あと一番さっきから気になっているのは、ランボルギーニという車にこれだけの装備を乗っけて、電装系は大丈夫なのだろうか?ということと、もっとも心配なのは、パトカーというおそらくその国においてもっとも緊急時の耐久性が問われる車としてメンテナンスは大丈夫なのだろうか?ということ。

定期的に「ドライビングレッスン」を受講させるよりもメンテナンスをちゃんとやってやらないと、スピード違反を追いかけている間にこっちがエンジンから火を噴いて炎上始めるなんてことになりかねない。だってランボルギーニだもん。

とは言え、アウディR8の試作品扱いで開発されたガヤルドという車は、ランボルギーニにしてはやっぱり信頼度の高い車なんだろうなと素直に思う。ランボルギーニにしてはなんだけど。

これがムルシエラゴだったら寄贈されても警察は困っただろうなあ。
ランボルギーニは24日、イタリア国家警察に『ガヤルドLP560-4』を納車した。精鋭30名(うち女性3名)がガヤルドに乗ることが許されており、定期的にランボルギーニからドライビングレッスンを受講、ガヤルドの性能をフルに引き出せるよう、訓練されている。

 
「絶対チューンするな。タイヤ交換もダメだ。やりたきゃニスモに預けろ」と堂々と独禁法に抵触もののイデオロギーで発表されたR35GT-Rだが、チューニングメーカーだってはいそうですかと引き下がるわけにもいかないわけで。
そういやそうだよなあ。トラストだって潰れちゃったくらいだからなあ、

マインズR35GT-R
というわけで貧乏人お断りセレブチューナーMinesが出したR35GT-Rだが、WALDの下品路線に比べるとすっきりとした仕上がりになっている。こうして見ると車高落としただけでガラっと雰囲気が変わって、凄みが出てくる。
マインズ R35 GT-R
今回の車はチューニングカーを出したというよりはパーツを出したわけだが、Minesお家芸であるVX-ROMは、純正のめちゃくちゃ複雑でブラックボックスの多そうな制御を生かしたまま、スピードリミッター、レブリミッター、燃調、点火時期、電子スロットル、可変バルタイなど多岐にわたるコントロールが可能な上、イモビライザーまで動くそうである。
ほんまかいな。
マインズ R35 GT-R
ただやっぱりこの車にエアロパーツをつけるのは難しい。空力がどうのという話ではなく、デザインが鈍重になってしまうのだ。WALDにしてみたって、あのオーバーフェンダーを除けば正直微妙な仕上がりだ。そういう意味では車高を落とした以外はあまり外装に手をつけなかったMinesは賢明だったかもしれない。
マインズ R35 GT-Rのサムネール画像
未確認だが写真で見る限りこのマフラーはフローティングカールしてるように見える。ということは音も響きそうである。材質はチタン製。近年のこの手の車はカーボンとチタンをふんだんに使わないとスーパーカーとはみなしてもらえません。
マインズ R35 GT-R

ただ値段が爆裂に高いのは何なんだろうなあ。ちょっとでもいじったらもう保証外になる車なわけだから、そこにつけ込んだ値段の付け方に見えないこともない。まあもっとも35GT-Rに関してはMinesに限らずNISMOだってそうなんだから敷居の高さというプライオリティというのが、今後もR35につきまとう評価なんだろうな。

まかり間違ってもオートバックスで買ったポン付けマフラーなんか装着してはいけないということだな。

今年の2月にアメリカのテレビにスペシャル番組として、四半世紀ぶりに帰ってきた「ナイトライダー」なのだが、今のところ日本で放送される様子はなく非常に残念である。

Knight_Rider2008.jpg

僕はアメ車が正直あまり好きではなく、デザインやカスタマイズやチューニングに対する発想も、どうも力技ばかりが目に付いて関心をそそられることはあまりない。なのでデザインが欧州型なサリーンも「ふーん」って感じなのだ。

シェルビーGT500
しかし自動車発祥の地であるアメリカに敬意を表すべく、アメリカを代表する車を挙げろと言われたら、文句無くこのフォード・シェルビーGTシリーズを挙げる。

ただし、シェルビーというのはかつてレーサーだったキャロル・シェルビーが作った会社で、フォードの車をベースにしたレーシングカー、もしくはロードカーの名車を次々に生み出してきた会社であり、フォードはその功績に対して、シェルビーがマスタングベースで作った車にフォードの冠名をつけてフォードの販路に乗せているのであって、シェルビーというブランド名は厳密にはフォードには存在しない。

この写真の車もマスタングなんだけど、フロントグリルに馬のエンブレムではなく、あのコブラのエンブレムをつけており、あくまで「フォード・マスタング」ではなく「フォード・シェルビー」なのだ。

ナイトライダー2008
さて今回復活したナイトライダーでは、番組のスポンサーがフォードらしく、K.I.T.Tのベースカーはこのシェルビーである。トランザムじゃないというところで、評判があまりよろしくないみたいだけど、僕は実に素晴らしいデザインだと思う。

アメ車特有の下品なハイパワーさと言うテイストを、むしろ逆手に取って戦闘能力とか頑丈さみたいなのを前面に出して開き直った凄みすら感じるのだ。トランザムみたいに変なモダンさなんか主張せず、オラオラ的にゴリ押ししてこそのアメ車ですからねえ。

今回のK.I.T.Tの能力で際立つのは変身機能であり、ムスタングベースのいくつかの車種に変身してしまう上、どうもトラックにも変身してしまうらしい。いったい何で出来てるんだろうこの車。

あと個人的にカッコいいなあって思ったのは防弾ガラスである。今までの銃弾を跳ね返す、もしくは貫通させないという「強度」によるものではなく、ダイラタンシー運動の原理みたいに衝撃を受け止めて無力化された弾丸はポロポロと落ちて行くのだ。もちろん強度の方もやり過ぎなくらいに頑丈で、下記の動画の1.50あたりでこんなこともしてしまう。ほんとに何で出来てるんだろうこの車。これだと強度のみならず質量も自由に変わるってことだよな。



早く観たいなあ。日曜洋画劇場かなんかで早くやってくれないだろうか。
フェラーリ コンセプトバイク「イタリアにはドゥカティがある以上、フェラーリが2輪車の開発に乗り出すことは100万年経ってもありえない」という言葉があるという。
実際には「フィアットがそもそも許さない」とか余計な言葉が付くんだろうけど、大筋では真実なんだろうと思う。

ただ、プライベーターでカスタムバイクを作ったり、設計して楽しんでいる人は世界中にたくさんいるみたいで、ディノのV6とか308のV8を無理矢理押し込んだバイクというのは存在する。絶対乗りたくないな、いろんな意味で。

フェラーリ・コンセプトバイク
イスラエルのAmir Glinikというデザイナーが、コンセプトモデルとして、新たなフェラーリのバイクを考案したのがこれである。パッと見は完全にアリクイみたいだし、座り心地悪そうだし極端な前傾姿勢強いられそうだしホイールベース長くてまったく曲がれないだろうし、色々と困った感じだ。

しかし、メカに関して言えば文字通り机上の空論らしく興味深い発想になっている。



まずフロントのエアインテークは走行中はエンジンの冷却に開放され、止まるときはこれが魚のエラみたいに一斉に閉まって、空気抵抗による制動性を高めるという。空気抵抗による制動って、いったい何100キロで走らせるつもりなんでしょうかこの人。

フェラーリ・コンセプトバイク
そしてエンジンはエンツォの12気筒を4気筒にしたものを搭載してドライブ・バイ・ワイヤで制御する。ドライブ・バイ・ワイヤというのは、戦闘機の操舵システムであるフライ・バイ・ワイヤの応用で、スロットルバルブをケーブルで開閉するのではなく、電気信号で制御する。

ただし、このシステムの欠点としてスロットルがアクセルに直結していないため、故障したときの挙動が体感できないという点が挙げられるのだが、基本的にスロットルの開閉に体力が必要ないという利点は運転面の向上には大きく貢献すると思われる。
フェラーリ・コンセプトバイク

絶望的に燃費の悪そうなバイクなのでタンクは相当大容量のものが載るはずなのだが、これで見る限りではどこにあるのかもわからない。本来タンクがあるであろう場所にある黄色い部分がメーターで、タッチパネルを採用するようだ。

運転しているときにグローブ越しにどうかとか、雨の日はどうするんだとかそういうことは言ってはいけない。




ちなみに黒いタイプになると、雰囲気がガラっと変わる。こっちの方がかっこいいかも。
フェラーリ・コンセプトバイク

ランボルギーニエストーク

アウディ傘下に入って以来、ここ5年以上業績が安定しているランボルギーニだが、これまでの車の開発サイクルは以下のようなサイクルとなっている。

好き勝手なのを作る=ムルシエラゴ
アウディの言いなり=ガヤルド
メチャクチャ好き勝手なのを作る=レベントン
そしてまたアウディの言いなり(に違いない)で作られたのが、このEstoqueである(本文中ではエストークと呼ぶことにする)。

スポーツカーの概念を「高出力のロードカー」とすると、アウディはラリーやレースのフィードバックが豊富に蓄積されたノウハウがあるのだが、スーパーカーという「浮世離れした車」を作りたいとき、その非日常性を創造するエッセンスというのが元々かけてたからこそアウディはランボルギーニを「スーパーカー実験場」として買収したんだろうなあ説の僕は第一人者である。

ランボルギーニエストーク
ガヤルドは完全にR8のプロトタイプだし、今回のエストークは次期A8のシャーシで開発されたそうだから、レベントンを作ろうとしたらアストンマーチンになっちゃったみたいなこの車から、余計なものを取り除いて現実的な車として、アウディから絶対何か出てくるだろうと思う。

4ドアでロングノーズのショートデッキという無難も無難なこのデザインは完全に親方アウディの言いなりになったんだろうけど、エンジンはガヤルド560-4の5.2リットルV10で「おおっ」とさせたかと思えば、やっぱりアウディの顔色をうかがいつつ将来的にはV8ガソリンハイブリッドも搭載されるらしい。

うわああ!ランボルギーニから「ハイブリッド」なんて言葉聞きたくなかったぜええ!

ランボルギーニエストーク
この写真だけ見たら一瞬どの部分かわからないんだが、最近はこの掃除機の狭いとこを掃除するやつみたいなマフラーが流行ってるみたいで、エストークもセンター2本出しである。ガヤルドのエンジンをフロントに載せてマニホールドの取り回しはどんなんだろうか?
ボディサイズは全長5150×全幅1990×全高1350mm。でかい!たぶんメルセデスのSクラスよりでかいぞ。そしてホイールベースは3010mmと聞いて、はいこの車はもう全く曲がらない車であると認定。


ただし、中身がアウディになってからのランボルギーニはそれでも多少「実用性」を意識するようになっており、これは評価に値することではある。お歳暮の包み紙をバリバリ破くのではなく、セロテープから丁寧に剥がして無骨に折りたたむようになったというべきか。
一応血縁関係にあるポルシェのパナメーラや、アストンマーチンのラピードもそうだが、こういう車を4ドアで出すのが今後の流行になるのかなあ。
ランボルギーニエストーク
今頃フェラーリが慌てて4ドアの車作ってたりして。