2008年11月アーカイブ

ドゥカティ・デスモセディチRR
 4輪でもそうだが2輪でも、レーサーレプリカというレース仕様車を公道も走れるように、いくつかの機能を追加もしくは削除して提供するモデルが存在する。

だがあくまでレプリカであり、特に日本の場合厳しい安全基準などもあるから国産メーカーのそれは「上級者向け」ではあるけれど、あくまで公道走行最優先であり、確かに乗り手を選ぶ高性能ではあるが本物とは格段に違う。


rr_2.jpg

そこでイタリアのドゥカティだが、ドゥカティもレーサーレプリカを出している。それがデスモセディチRRだ。

なんかデスモセディチって言う響きが中生代白亜紀に繁栄した肉食の両生類みたいだなあ。しかも鈍重で死骸漁り専門ののっぺりしたヤツ。


ドゥカティ・デスモセディチRR


もちろんそれはこちらの勝手なイメージであり、実際のデスモセディチは、2002年の990ccのプロトタイプ投入から翌年の2003年には勝ち始め、プライベーターに供給を始めてから2006年までには7勝をあげ、2007年から800ccモデルに開発をシフトしてからも活躍を続けているモデルである。


ドゥカティ・デスモセディチRR


それのレプリカ版なわけだが、どうもこのバイクはレース仕様のものとさほど仕様が変わっていないらしいのだ。

2005年モデルのレース仕様のエンジンを少しばかりデチューンしただけで、ほとんどそのまんまという。


 
ドゥカティ・デスモセディチ


エンジン最大出力および車両重量は、レース用マフラーで47.1kW/200psで171kg、公道準拠のマフラーでは138kW/188psで175.5kgとなるそうなんだけど。

ん?公道仕様車の重量増がわずか4.5kg?ということは、多少装備を削除したとしても、追加している装備(主に保安装備)ってどれくらいなんだろうか。まさかスピードメーターとウィンカーをつけただけだったらどうしよう。ありえるなあイタリアだから。


ちなみにこのデスモセディチだが約50000ユーロで限定生産された。とりあえず1500台というが、多いのか少ないのか。

そして顧客だが、有名どころではマイケル・ジョーダンとかトム・クルーズなんかが買っているそうだ。あきらかに休日に乗り回して楽しむバイク好きじゃないよなあ。まあ50000ユーロっていう値段を4輪でなく2輪に出せる人たちとなると限られてくるし、そういう人たちって結局屋内ガレージで眺めるだけというセレブな人たちであり、ドゥカティ側もそれを念頭に置いてるんだろう。

ドゥカティ・デスモセディチRR

歴史の中で芸術には必ずパトロンと呼ばれる俗物が切っても切り離せない存在だったわけだが、それは現代もそうなんだな。フェラーリといいドゥカティといい。

フェラーリ360GTデイトナのサムネール画像
厳密にはフェラーリに「フェラーリ・デイトナ」なるモデルは公式には存在せず、この車の正式名称はフェラーリ365GTB/4である。なぜデイトナと呼ばれるかと言うと、かつて当時フェラーリがデイトナ24時間レースにおいて、1着から3着までを独占したからだそうだ。

なのでこれが筑波24時間レースだったらフェラーリ・ツクバと呼ばれていたということか。


フェラーリ・365GTB/4 デイトナ前身の250GT系から、より迫力を増して、70年代にしてロングノーズ・ショートデッキの究極完成形と言っていいデザインだと思う。ロングノーズ・ショートデッキというのは駆動方式がFRであるスポーツカーの理想的デザインである。
この手のデザインにおいて、フェラーリ250GTやフェアレディZは基本的にジャガー・Eタイプのデザインをかなり踏襲したものとなっていたが、このデイトナは完全に次の次元だった。

フェラーリ365GTB/4 デイトナ
しかしこの車の美しさたるや、のちにF40なんてもんを生み出す人間と同一人物のデザインとは思えない。

これ以降550マラネロの登場まで待たなくてはいけないフェラーリの「とりあえず最後の」FR車であるこの車は1968年の登場から1500台に満たない数しか生産されなかったという。それでもこの時代としてはかなりの生産台数だとは思うが。


フェラーリ365GTB/4 デイトナ

僕が昔いた会社にもこのデイトナが入庫したことがあった。今回のリトラクタブルライトの後期型ではなく、プラスチックカバーの4灯タイプの前期型である。

実際に目の前にいるデイトナは、かなりボロボロだったしリアのクオーターガラスの処理なんかかなり適当だったのだが、運転席のしまったイメージは今のえげつない商売人のフェラーリではなく、乗り手のことなど何ひとつ考えない乗りにくそうな、そしてレースカーよりのそれだったのをよく憶えている。

 

そして何よりフロントからリアまでの流れるような美しさは、FRスポーツカーにおいて40年前にすでに完成されていた一つの「最終定理」だった。

フェラーリ365GTB/4 デイトナ
馬力や最高出力で上回っていても、美しさの面でこの車を上回るFRスポーツカーは40年経った現在に至るまで、フェラーリからすらも、いまだ生まれていない。

おかげ様でこの文責放棄なブログも開設1年半目にしてやっとアクセス数10000を突破しました。一日にだいたい100~150人くらいの人が来ているのですが、コメント欄は管理画面上ではOKにしているのですが、設定の何を間違っているのか何故か反映されず、いわゆるコメント拒否状態になっており、炎上すらしません。

なので、最近少しばかり寂しくなってきた管理人は相互リンクを募集することとしました。

リンク希望の方は、info@kanazo.net までメール下さい。
大抵のサイトはすぐ相互リンク致します。

というわけで次回予告です↓

フェラーリ360GTデイトナ

意外に知られていないが海外に数多あるチューニングメーカーの中で、RUFとアルピナはチューナーであると同時にドイツ自動車登録局に認められた「自動車メーカー」である。そしてRUFにいたヤン・ファタウワーという人が作った9ffもれっきとした「自動車メーカー」である。

この9ffは「ポルシェの911で時速400km/hを達成してみせる」ことを理念に車の開発を続け、イタリアのナルドコースで370キロだの380キロだの、もう完全に乗用車の速度じゃないような速度記録を樹立し続け、2008年の4月にドイツのパペンブルクのテストトラックで、ついに911GT9で409km/hの世界記録を達成する。

9ff ポルシェ911GT9

この車の全長は4733mmにホイールベースが2650mm。うーん理に適っているびろーんとした車体。特にホイールベースの伸ばし方が凄いけど、ゴルフバッグ積むためじゃないところが偉いと思う。しかし最高出力980馬力ってのはもう頭いかれてるとしか思えない。ドアミラーまで取るか普通。

9ff ポルシェGT9

ベース車は997っぽいけどよくよく見ると996かな。公道を走るときはドアミラーがついているけど、ジョイントらしきものが付いてないところを見るとドアパネルごと取り替えるらしい。

この文字通り実もフタもないリアスタイルからして、その980馬力というのが下からぐーんと来るのかめちゃくちゃピーキーなのかと言えば、間違いなく後者だろうなあと思う。ちなみにこの最高速トライのとき、一回目の途中でタイヤがバーストしたそうである。そりゃするわ。というか地面との摩擦がゴムタイヤの支えきれる限界をもう超えてしまってるんじゃないだろうか。

自動車という乗り物を動かす動輪の素材に限界を突きつけてまで400キロ超えをやってのけた9ffが有頂天になっていると、今度はアメリカでSSCアルティメットエアロなる車が417km/hという記録を9月に樹立する。有頂天からどん底に落ちるとショックが大きいとは良く言ったもので、9ffは相当頭にきたのか、さらにGT9をバージョンアップさせたGT9Rを開発して年内に発表する予定で、今度は1120馬力だという。

大人げないよ君たち。でも面白過ぎるよ君たち。

9ff ポルシェGT8R

 独ポルシェが7日発表した2008年7月期決算は、税引き前利益が前の期比46%増の85億6900万ユーロ(約1兆円)となった。売上高は同1%増の74億6600万ユーロ(約9200億円)。子会社化を進める独フォルクスワーゲン(VW)の株式取得に絡み、利益が売上高を上回る事態となった。

 ポルシェは複数の金融機関から一定価格でVW株を取得する権利を保有。一種のオプション取引で、VW株が上昇すれば買い取り予定価格を上回った分の利ざやを手にできる仕組み。ポルシェによる株買い増しを背景にVWの株価は急騰しており、68億ユーロの増益要因になった。

 現在、ポルシェのVWへの出資比率は約42%。オプション取引により既に実質約74%分を押さえたとしている。市場ではポルシェのVW株取得方法が不透明などと批判の声が根強いが、ポルシェは情報開示に問題はないとの姿勢を貫いている。(以上NIKKEI NETより)

ポルシェ911GT3


さすがポルシェ様
VW株をめぐってアメリカの銀行ふたつとハゲタカファンドをまんまとひっかけて大儲けとは。
そのえげつなさに惚れ直す今日このごろのわたくし。
Hamann Volcano SLRマクラーレンハーマンと言うと、BMWとかポルシェなどのドイツ車を筆頭に、フェラーリやランボルギーニやアストンマーチンといった車まで手がけるドイツのチューニングメーカーなわけだが、国内外を問わずチューナーというのは、スタイリングでも差別化を図る中でハーマンというところは

「何でもガルウィングにしちゃう会社」

という認識でほぼ充分だと思う。
ちなみにこの車の場合元々ガルウィングなのでヒンジの加工の手間ははぶけたかもれないが。

Hamann Volcano SLRマクラーレン

ドイツ人のデザインに対する意識とは、「もっとも機能的なものがもっとも美しいデザインである」というピニンファリーナ全否定みたいな質実剛健なもので、ドイツ車の美しさとは基本的に機能美を意味する。

なので往年の一部のケーニッヒスペシャルズみたいな思想は例外的なものだと思っていた。



Hamann Volcano SLRマクラーレンまあアウディもランボルギーニを買収してR8みたいな車を出すようになったくらいだから、今のハーマンみたいな「派手路線」もアリなのかもしれず、ついにメルセデスのハーマンチューンドとして、ハーマンVolcano SLRマクラーレンが登場した。もっともSLRマクラーレンの場合、ドイツ車でありながら生産はイギリスのマクラーレンの工場で生産されているから、厳密なメルセデス(=ドイツ車)という位置づけをしてはいけないのかもしれないが。


布団が干せそうな巨大なGTウィングが異様な大迫力だ。

Hamann Volcano SLRマクラーレン
フロントタイヤの後ろにざっくりあけられたスリットはフロントエンジンの特権で、左右6本出しのマフラーの取り回しもこの車の大きな特徴である。マニホールドなんかどうなってるんだろ。

しかしなーんかカッコ悪りぃなあという印象がぬぐえない。



Hamann Volcano SLRマクラーレン日本においてこの手の車、つまりメルセデスのクーペを乗りたがる人種というは大体限定されると思う。それはその人の「職業」というより、その人の「性格」でだ。

なんか好戦的(ケンカっ早い)で自己主張(目立ちたがり)の強い人たちがフェラーリよりもこの車を選ぶ傾向にあるように思う。IT長者とか水商売とか芸能人とか。まああえてそれらを総称してヤクザと呼ばせてもらうが。野蛮というよりは下品という意味で。


カーボンコンポジットによるモノコック構造は、それ自体は非常に高価であるがスポーツカーの開発において革命的な発明だった。そしてそれは次第にエアロパーツなどの外装にまで範囲を伸ばしていったのだが、本来カーボンのもっとも大きな利点は、剛性の向上と軽量化にあったはずなのに、近年のいろんな車に対するカーボンの使われ方というのは、「高価な素材をふんだんに使った」というステータスが先に立っている気がしてならない。

そういう意味で、この車のカーボン武装につっこみを入れるとしたら、
「こんなに使うなら車体をもう少し小さくしろよ」と言ったところか。
Hamann Volcano SLRマクラーレン
でなければ、湾岸ミッドナイトのブラックバードみたいに前後のボディをぶった切って全部カーボンにしちゃうくらいの気概を見せて欲しいよなあ。
日産フェアレディZ 2008
日産が今年の12月に新型フェアレディZを発表するという(北米仕様は11月)。

いわゆる350Zと呼ばれるこの世代のZに関しては、どうもアウディのTTとポルシェの両方に色目をつかったようなデザインという印象を払拭できなかったため、あまり好きになれなかった。なんというか精悍さがハンパだったのだ。

日産 フェアレディZ 2008


このたび370Zとして発表されるこのZの大きな特徴は、このガバっと大口開けたインタークーラーである。

これは走る気満々であると解釈するべきなのかどうなのか。色からしてなんだか魚類をイメージさせるのだが。イワシとか。



たぶんFD3SのRX-7が最初だと思うのだが、国産車でタコメーターをメーターパネルの中央に配置するのは、相当に走りに自信があることの自己主張だった。そしてZは350Zでは中央に配置されていたが、いわゆる「雰囲気スポーツ」であり、手に余るような暴れ馬じゃなかった。もちろんそれは時代の趨勢とか日産(というかゴーン社長の)の方針で、海外市場を意識したマイルドなものでなくてはいけないという大前提があったからだ。

しかしGT-Rが甦った現在、大口径インタークーラー仕様で甦った今度のZは、バリバリのスポーツカーなんじゃないかなあと勝手に思っている。今度こそそのセンタータコメーターに恥じないように。
何よりいまだに6速マニュアルなのが嬉しい。