2009年1月アーカイブ

もう老害バーニー・エクレストンに私物化された単なるエンターテインメント組織になってしまったF1からの撤退はともかくとして、鈴鹿8耐からも撤退してしまったのは少々深刻な事態を思わせるホンダだが、今年新しく発表したのがこのHONDA FURYである。

HONDA FURY
いわゆるファクトリーチョッパーってやつなのか、純正でこのハンドルである。ただこのスカスカ感漂うデザインは個人的には非常に良いと思う。フレームのネック部分ごとストレッチタンクをぐいーっと上に持って行ってるところがなかなかかっこいい。エンジンはVTX系の水冷1300ccVツインである。

HONDA FURY
少しやり過ぎ感もないではないし、こういうぶっ飛んだものはキチガイのスズキに作らせればいいとも思わないこともないが。

ああそうか、スズキに作らせたらモアパワーでとても「クルーザー」とは呼べない代物になるか。

HONDA FURYただなあ…モータースポーツから撤退したホンダが、マーケティングだけで車やバイクを作り始めたらヤマハみたいになっちゃうんじゃないかと余計なお世話ながら心配してしまうのだ。
イギリスのスポーツカー哲学は昔から徹底している。
曰く「エンジンは結構どうでもいい」「ボディはとにかく、とにかく軽く」である。

「じゃあジャガーのXJ220はどうなんだ」と言われたら、あれだってあのサイズにしては1300kgだし、20年近く昔にフォードに売却されてるし、今となってはインドのタタの傘下だからイギリスじゃないもんねといくらだって開き直ってやるぞ俺は。

ノーブルM400
なので古くはロータス7とかヨーロッパから始まって、割と非力なエンジンを羽のように軽いボディに載せてキュンキュン走るのがエリーゼやエクシージに至るまで綿々と連なる大英帝国のスポーツカー美学なわけですね。あとはユーザーのクラフトマンシップをくすぐるかのようなメンテナンスの煩雑さとか。クラフトマンになりたい人ばかりじゃないんだろうけど。


そこでこのノーブルM400だが、まずボディのサイズが4089×1885×1143mmということはエリーゼよりも一回り大きく、370Zよりも一回り小さい。うん、小さ過ぎず大き過ぎずお手頃なサイズ。後期型MR2ってとこか。

ノーブルM400
車重は1060kg。うわっ軽い!さすが英国産スポーツカー。そしてエンジンはフォード製デュラテックV6をミッドシップで横置き。モンデオとかあの辺の大味なセダンに載ってるエンジンだ。この適当なエンジンチョイス、さすが英国産スポーツカー。しかしそこからツインターボを組んで425馬力ってのはとんでもなさすぎだろ。

最大過給圧は0.85バール。3500rpmで最高出力の70%を叩き出して5000rpmで54kgのトルクってことは
ほぼ全域パワーバンドか。雨の日は絶対に危険な車である。たぶん晴れの日もだけど。
くれぐれも言っておくがこれは車重1000kgで420馬力の車である。

ノーブルM400

そしてこのリアスタイルの超ワイドさはしびれる。これは乗らなきゃいけないと思わせる迫力と説得力である。特にこのリアウィングはもはやハネである。タイアはピレリのP-ZEROコルサでサイズはフロントもリアも18インチの225/40と265/3。
ひゃー!265なんてR33GT-Rじゃないか。

ノーブルM400
ボディは昨今流行のこれでもかってくらいのカーボン武装ではなく、GRP、つまりガラス繊維強化プラスチック製なので初心者マークは貼り付けられません。とにかくペラペラのボディである。相撲取りが張り手くれたら手形の穴が空きそうだ。まさしく実物大プラモデル。

僕が気に入ったのはアルカンタラによる内装の施されたこのコックピットである。、スパルタンというか素っ気無いというか貧乏臭いというか。ゲトラグ製6速ミッションのシフトレバーの長さと位置がMR2っぽくて非常に良いし、よくよく見るととんでもないものが写っている。

この21世紀に、ウィンドウを手動で開閉させようということかこれは。しかもたぶんアルミ製レバーだ。素晴らしい!この頑固なまでの不親切さ。まさに英国スポーツカー。うーん欲しい。

ノーブルM400この車、最終的には300km/h近い速度まで引っ張るそうだが、こう言う車は最高速度で勝負しちゃいけないと思うぞ。なんかフワっと前輪が浮いてそのまま仰向けにひっくり返るんじゃないか?なんたって1トンそこそこなんだから。

ノーブルM400
それでも「やあ、今日は天気がいいからシャーシを虫干ししようと思ってね」とかユーモアで切り抜けるのが英国風なのかな。頭から血をダラダラ流しながら。
W3 トライポスト
カナダのカスタムカーメーカーらしいのだが、W3というメーカーのトライポストという車なのか、W3トライポストというメーカーなのかよく分からない。とりあえずW3 Tripostとだけ書いてあり、わかっていることは、ポルシェ911をベースにボディをモディファイ(もしくはフルスクラッチで開発)した車であること。そして最高速度が公称300km/h以上らしいということだけである。


でも最近どこのチューニングメーカーも言ったもん勝ちですぐ300kmオーバーを標榜するからなあ。このあたりはちょっと眉唾ものだ。


W3 Triposto

上から見るとわかりやすいが、この車はマクラーレンF1と同じく中央にドライビングポジションを置いて左右にほとんど補助席のような助手席を配置する3人乗りである。

あとカレラGTのフォルムをかなり意識している。




W3 Triposto

かなりスパルタンというかチャチなコックピットだけど、なぜか味があるなあ。ただ開発設計の段階から中央にドライビングポジションを置いているマクラーレンF1ならいざ知らず、元々左ハンドルで設計してある911をこういう風に改造するのって結構大変だし危なそうだなあ。ステアリングもミッションの取り回しとかも強引に真ん中に持ってくるわけだし。

 

W3 Tripost

後ろ姿は完全にカレラGTである。でも80年代後半から90年代に大量に出回っていたポンティアックのフィエロベースで作られたフェラーリレプリカに比べると、かなり丁寧に、しかも愛情を持って仕上げられていることはよくわかる。




W3 Tripost


前後のカウルがこの開き方をする車に無条件に反応するあなたは間違いなくスーパーカー世代のおじさんですね。

…でもドアはどうなってるんだ…?と思うと…




W3 tripost


うわ!こりゃないわ!
これで300kmなんて、たとえ出せるとしても怖くて出せません。





ただし911ベースということで、どれくらいシャーシとか駆動系に手を入れているのかわからないけど、端々の作りは良さそうだから、ちょこっと乗り回すには楽しそうである。あとは価格だなあ。いくら何でもポルシェ並みの価格だったらまだポルシェ買うわ。

なので、この車はポルシェ好きで何台目かのポルシェを持っている人が、道楽で一台買ってみるような車だと言えるんじゃないかな。
W3 Tripost
このアングルからだと70年代の円谷プロ作品の乗り物っぽくてなんかほのぼのする。
日産GT-R spec V前回からの続き

当然のことながらこのスペックVも、時流に合わせてカーボン多用による軽量化がはかられ、約60kgの軽量化を成功させている。まあ1.7トンからの60kgだから朝青龍が二の腕一本分のダイエットに成功したってとこか。




日産GT-R spec VR33以降どんどん巨大化したGT-Rをグイグイ曲げる、ピタっと止めるという作業を強いられる以上ブレーキの大径化は必須で、今回はカーボンセラミックブレーキである。ただ偉大なるポルシェ様のPCCBでさえも、専門のエンジニアによるメンテナンス必須なので、これもあまり過信は禁物かと思われる。

要するにストップ&ゴーの繰り返しである街乗りに使ってはいけないというこですな。


エキゾースト関連は、ここで紹介したNISMOクラブスポーツパッケージと似ている。というか同じじゃないだろうか。

日産GT-R spec V


ただこのY字の分岐部分のスポット溶接の処理といい、なんとなくぱっと見でキダスペシャルみたいな触媒にへばりついている、センサーなんだろうか、これの見た目がどうにもミミズ腫れみたいで不気味なのはわたくしだけなんでしょうか。
今まで数多くの車の触媒部分を見たことがあるが「不気味」という印象を抱いたのは初めてである。いやもちろん性能は折り紙つきなんだろうけど。


日産GT-Rspec V


GT-RのCVE/CPS(チーフ・ヴィークル・エンジニア/チーフ・プロダクト・スペシャリスト)である
水野和敏氏はこの車に対して、
「俺も自分で自分の役職ソラで言えねえよ」
とは言っているのではなく




「1週間のうち6日間、社長やリーダーとしてものすごく働いている人が、趣味として車に乗る。その半日が、1週間のハードワークを支える、“生きる力”になる」
「環境を重視した車も重要だが、GT-Rのように“生きる力”となる車を提供することも、日産のようなマルチなメーカーが果たすべき使命」

と言い放った。この手の車を愛する者としては不覚にもぐっと涙腺の緩む言葉だ。
そして氏はこうも付け加えた。

「月30台以上の生産は無理」

日産GT-R spec V

心配しなくても
そこまで売れないから大丈夫です。

日産にとってGT-Rという車が、矜持そのものであることは言うまでもなく、どんなアホみたいな車を作ることがあってもGT-Rだけは、排ガス規制だの石油高騰だのスポーツカー冬の時代だのをまったく無視して気合入れてとんでもないのを作るのが日産である。「僕もよろしく」って感じでZもいるけど。

日産GT-R spec V
日産GT-R spec V

そして歴代のGT-Rには必ず「反則バージョン限定車」が存在する。ただでさえ化け物なのをさらに手負いにしたような手のつけられない恐ろしい車を「その時代最強の国産車」として出すのだ。32RのVspec、33RのNISMO400R、34Rのnurがそれである。



日産GT-R spec V
特にNISMO400Rなんて、こんなの市販しちゃいけませんってくらいの車で、最高出力280馬力規制の時代に平然と「最低でも常時400馬力保証だから400R」なんて車だったんだから、いかに日産がGT-Rという車に会社としての矜持を賭けているかがよくわかる。ただ社運は賭けてはいけません。


日産GT-R spec V
そこで今回の35Rが出たときも、誰もが当たり前のように「反則バージョン限定車」を出すものと思っていたら、やっぱり出た。日産R35GT-RスペックVである。

元々ブースト1.4キロでポンと500馬力出るような化け物を、さらに手負いにして手を付けられなくしたような車にして限定発売するっていうのはもはや日産のお家芸となっており、今回もすっかりゴジラみたいなGT-Rに仕上がっている。

日産GT-R spec V


 

うわー…さっそくですが後部座席がありませんこの車。
何と言うかなりふり構わずって言うか。






日産GT-R spec Vエンジンは意外にもノーマルのGT-Rとほとんど変わらず、最終減速比も同じらしいのだが、この車の武器は、「80秒のスクランブルブースト」があるということである。

3500~5000回転の中速トルクをドカンと効かせる超ハイギアードブーストである。ただしジャンプはできませんよマイケル。



つづく

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