2009年4月アーカイブ
まあフェラーリというメーカーの矜持として「12気筒」というのは、時代がどう移り変わろうと決して譲れない魂なんだろうなあ。三つ子の魂と言うか死んでも直らないと言うか。
さて、現時点でフェラーリ唯一の12気筒なのはフェラーリ599GTBフィオラノである。エンツォみたいに恥ずかしくてどこも走れないような客寄せパンダではなく、量産車としてである。デザインは、奥山清行の手によるもので、あの絶望的にかっこ悪いエンツォをデザインした人間と同一人物とは思えない、デイトナを意識した美しい曲線で構成されている。
エンツォのときは寝起きで足でデッサン描いたのかね。
しかも今回599XXという完全な競走車両としてのリリースである。
フェラーリのプレスリリースによると「『選ばれた顧客』が参加できる技術工房的な車になる」そうである。
どうでもいいけど、エンツォをベースに開発されたFXXのときも思ったのだが、この「XX」の読み方って何なんだろう。
ローマ数字でいうところの「20」なのか、それとも「エックスエックス」なのか。個人的には「バツバツ」ってのが面白いんだけど。
「599XX」なら「ごーきゅうきゅうばつばつ」ね。
エンジンは599の6リッターV型12気筒をベースにチューニングが施されて、最高出力は700ps/9000rpm。700ps出せるって言うよりも、9000まで踏めってのが凄い。
うーん、いいなあこのフェラーリらしいクオリティ。
Cピラーのとこに突き出たマットブラックのこれは、
車内のテレビで地デジを観るためのアンテナではなく、空力パーツである。
ところで最近、ドアが上に開く車が多い気がする。特に欧州産スポーツカーに。それまでこういうドアってのはランボルギーニのお家芸だったわけだが、フェラーリがエンツォでそういうドアを解禁しちゃったからというのは無関係でもないような気もする。
もっともエンツォは奥山清行のデザインで、奥山は年齢的にスーパーカー原体験世代なので、明らかにデザインのコンセプトにカウンタックのアレがあったはずだ。とりあえず欧州人はエンツォ以降、それまで黙殺し続けていた上開きドアが突然大好きになった。
512BBは前半はキャブで、後半はインジェクションになった。僕が乗ったのはキャブで、ここでも書いたが3000~4000回転に、止まるんじゃないかと思うくらいにすごい谷があって、そこから爆発的なトルクが発生した。ギアは2速と3速が入りにくく、特に3速はGT-Rみたいな感覚で入れると跳ね返されるくらいだった。
だから正しい3速の入れ方は、2速からニュートラルに入れて一瞬間を置いて、がっちゃん!とねじ込むのである。ただでさえ生意気なフェラーリ相手に力任せっていうと、仕返しにぶっ壊れられて泣きを見そうだが、これはメカニックにはっきり言われたことである。「正確に、叩き込むように」と。
ただし、エクステリアは大雑把だがハンドリングは繊細そのものの512BBに、こんな車幅を変えてしまうようなチューニングは、完全にレースオンリーならともかく、ロードカーとしては冷や汗かきそうな車になってしまったんだろうなあと思うのだが。
それでもこうしてみる512BBの美しさたるや、デイトナの神がかり的なそれと双璧をなすものである。やっぱりこういう車を持つ人っていうのは、その美しさとヒステリックなまでの走りの過激さに魅せられた「車に使役する者」でなくちゃいけないんだろうなと思う。それこそこの車を潰したら自分ももう車運転するのをやめるくらいの忠誠心を持つくらいの。
とりあえず512BBのきれいなキャブ音でもどうぞ。
