猛牛の怨念~ランボルギーニ・ミウラ~

ランボルギーニ・ミウラ1971「美味しんぼ」という漫画の登場人物をイタリアの自動車業界に当てはめると、意外にもぴったりくることを発見してしまい、笑ってしまった。

フェラーリ:
人格面に致命的な欠陥を抱える芸術家
=海原雄山

ディノ:
父親の業績を否定してわが道を行く
=山岡士郎

ランボルギーニ:
人はいいが俗物な大金持ち
=京極さん

アルファロメオ:
一応フェラーリの恩師らしいが実権なし
=唐山陶人

うーん実にぴったり来るな。
なんとなくポルシェも入れてみたかったんだけど、残念ながら美味しんぼには「親の遺産で遊び歩いてるくせに遊び半分にやってる事業がことごとく大当たりという言語道断な御曹司」ってキャラクターはいないんだよな。

ランボルギーニ・ミウラ1971さて、ランボルギーニの創始者であるフェルッツィオ・ランボルギーニは元々トラクターの販売で財をなした人で、趣味で集めた高性能スポーツカーの一台であるフェラーリにクレームを出したらエンツォに軽くあしらわれたことに怒り、同社でスポーツカーを作り始めたという話(諸説あるらしいが)は有名で、1965年に誕生したのが、このランボルギーニ・ミウラである。

ちなみに時系列で言えば、エンツォが今度はフォードを怒らせていた頃ですな。

マルチェロ・ガンディーニのデザインによるボディは、同時期に誕生したフォードGT40の雰囲気を、特にリアの処理に影響を受けており、エンジンはV12気筒をミッドシップに何と横置きしている。うーん。

相当急いで開発をしたらしく、初代のミウラはとんでもなくリアヘビーな車でまともに曲がらなくて、高速域では前輪のグリップがほとんど無くなってしまうような車だったという。

※のちにたった一台作られる、あの伝説の「イオタ」もこのリアヘビーな構造ゆえの極端に挙動の怪しいハンドリングによる事故で大破したらしい。

まあ要するに、息を呑むような美しさと同時に命がけで乗らなくてはいけないような危険さを兼ね備えていたというわけですな。

ランボルギーニ・ミウラ1968
5年間で3回のモデルチェンジで、その間のマイナーチェンジはひっきりなしに行われていたそうだから、いかに開発から発売まで「とりあえずこれで」的な方針だったかを感じるんだけど、ミウラの人気は実に高く、需要に供給が追いついていなかったというのが一番の理由なんだろうなあ。


ランボルギーニ・ミウラ19711971年に、P400SVが登場したことにより、ミウラというモデルは一定の完成形を迎えることになる。リアヘビーな挙動は大して是正はされてなかったが、リアサスペンションの強化やエンジンの出力も上げられ、LSDのようなものも一応搭載されることとなり、スポーツカーとしてのミウラの評価はさらに上がることとなった。
一方フェラーリはその2年ほど前にフィアットの軍門に下りエンツォの血圧は日々上がって行った(うそ)


しかしランボルギーニの、というかフェルッツィオの短い我が世の春は間もなく終わりを告げることとなる。
「だってただでさえ貧弱な生産ラインしかないし、そのラインも今度出るカウンタックって言う車を作るために空けなきゃいけないんだもん」
と言う理由で、ランボルギーニ・ミウラは1973年に生産を終了する。総生産台数は750台である。これだけ人気があったのに、およそ5年間で750台しか作られなかったのは、生産に手作業によるものが多かったからなのか、それとも量産設備の投入が遅れに遅れたからなのか、まあ後者だろうな。
ランボルギーニ・ミウラ1971
おまけ:
フェルッツィオとエンツォのエピソードに関する証言

フェルッツィオ:
「私はエンツォにフェラーリの部品に関して、クレームと言うより意見を言ったんだ。ただエンツォは聞いてくれなかったんだけどね」

フェルッツィオ没後のランボルギーニ未亡人:
「主人は、書簡で改善案を送ったのよ。残念ながら丁重にだけどお断りの返事を頂いたんですけどね」

エンツォ
「フェルッツィオは私の所には来てないぞ、彼はマセラティに行ったのだよ」


ツラの皮の厚い大ウソつきが一人います。

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このページは、kanazoが2010年6月18日 00:09に書いたブログ記事です。

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